注意: これからチューンを開始する駆動系は本来、ノーマルの状態が最もバランスが良いということを理解しておいてください。それを承知の上で、パーツごとの役割をしっかりと理解して自分なりの味付けを持ったスクーターに仕上げるというのが駆動系チューンの目的だと思います。(またもや私論)
1)材料
- ハイスピードプーリー
最高速が上がります。中速から高速にかけての伸びも良くなります。低速付近はメーカーによって味付けが異なるようです。私の経験では、キタコが高速重視、POSHが出足重視という印象です。(カメファクも出足重視という情報あり)
*ウエイトローラーのセッティングが必要です。 - ウエイトローラー
セッティング上、最も重要なパーツです。ローラーの重量を変えることで変速タイミングを移行して、好みの加速特性にすることができます。基本は6個1組です。3個1組で使ってもかまいませんが耐久性の面では若干落ちるようです。キタコよりもデイトナのもののほうがもちが良かった記憶が・・・オット。と言っておきながらおすすめはPOSH。1つ1つに重量表記があり、3個単位で買えるとこが気に入っています。(最近はどのメーカーもそうだけどね) - 強化ドライブベルト
エンジンのパワーを上げていくと、ある日ベルトが切れます。それを防ぐ為にあるようなものなんです!キタコのように2,3ミリ長いものを使えば最高速アップが望めるような気がしますがあまり変わりませんでした。プーリーとの相性が大きく影響するようです。それよりも磨耗のチェックをまめに行う方が重要だと思います。やはり長さはノーマルが一番良い!おすすめはプーリーと合わせてPOSHです。 - 軽量クラッチシュー
スクーターは、クラッチ全体が回転してその遠心力でシューが広がり、クラッチアウターに接触して動力を伝える仕組みです。シューを軽量な物にかえることでシューの広がるタイミングが遅れ、より高回転でクラッチミートすることができます。クラッチミートのタイミングは、最大トルクの発生する回転数で行うのが理想です。ちなみにノーマルでは約3800rpmでミート、一般的なメーカーのシュー交換だけでそこから約500rpmほどアップするようです。たいていスプリングもセットになっているKITで売っているのですが、8000円以上する高価なものなので、減った時のことを考えてシューだけ(4000円くらい)で交換可能なメーカーを選ぶことにしましょう。おすすめはキタコです。
*結構乗りづらくなります(^^;) - 強化クラッチスプリング
クラッチシューを軽いものにかえたのと同じ効果があります。が、スプリング交換のほうがその効果が大きいようです。ミートが約1000rpmほどアップします。順序としては、スプリング(1000円以内!)だけ交換してみて物足りない場合にシューまで換えるというのが合理的かつ経済的でしょう。
*一気に乗りづらくなります(-_-#) - 強化クラッチセンタースプリング
強化することでウエイトローラーを軽くする効果があります。他にも、登りで失速しやすいとかコーナーからの立ちあがり加速がイマイチといった症状の改善に効果があります。言ってみればクルマのAT車にあるキックダウンとゆー機能を強化するわけです。普通、10%アップ、15%アップ、20%アップとありますが、チャンバー+ノーマルエンジンには15%アップ、ノーマルマフラー+ビックボアにも15%アップ、チャンバー+ビックボアには20%アップがいいと思います。駆動系の熱ダレはこの部分が原因と言っていいほど高温になる部分なので、新品の時の硬さは維持できないようです。それを見こして5%ほどバネレートの高いものを選ぶわけです。おすすめは、というより絶対にカメレオンファクトリーがいいです。だって15%アップは当時ここだけしかなかったんだもん。(ちなみにJOG90等の純正よりもタレない) - プーリーボス
プーリボスの全長を変えることで、加速性能を犠牲にして高速重視のセッティングにふることができます。はっきりいってあまりお勧めできませんが、エンジンパワーに余裕があるなら試してもいいかも。ボス全長を0.8ミリ短くすると最高速仕様になります。これが限界だと思います。ワッシャーで調節して好みのセッティングができます。
*クラッチミート回転数を上げてやる必要があります。
2)方法
開ける、はずす、交換する、付ける、閉める・・・
うーん、特殊な工具が必要なので、バイク屋に任せるといいかも。
詳しくは知っている人に聞いてください。
(要するに割愛!)
3)終了
自分の感覚でこの辺がベストかなと思ったところでやめましょう。
しばらく乗ってみるとまた新たな問題点が見えてくるかもしれません。
**補足
駆動系に関しては、とにかく理論で攻めて実際にやって確かめる、その繰り返しです。
そして重要なことは、1回1回のデータを感想を添えて記録しておくことです。
もともと時間のかかるセッティングはなるべく効率的に行いたいですから。
パーツは1個づつ交換するというのも大原則です。
こつこつとやっていればいつか必ずベストなセッティングが見えてくるはずです。
…たぶん。
次回はマフラーチューン?!